なぜ壊れたのか?破壊原因を探る構造解析

構造解析では、構造物や製品に想定される負荷をかけたときに、過度な変形や破損を生じないかを解析します。 構造物や製品を”単純形状の要素の集合体”として表現し、実材の挙動を再現します。(有限要素法)


構造解析が求められるフェーズ

製品を設計、製作し、市場に出す流れの中で、構造解析は「詳細設計を詰める」時に求められます。 そして詳細設計のフェーズを過ぎると主に「トラブル対応」で求められることが多くなります。


構造解析が求められるフェーズ
概念設計を形にする詳細設計

設計の上流工程であり、製品全体に大きな影響を及ぼすのが「概念設計」です。
製品は、何かをもっと良くしたい、課題を解決したいという発想から生まれます。 その発想を「設計」で形にしますので、概念設計とは、与えられた問題に対して基本となる「解を提示する」プロセスだと言えます。

「ある問題に対する解」である概念設計を、詳細設計で実現可能な形状に表現します。この際、本当に解としての機能を果たすのか、トラブルは起こらないかを検証するために構造解析が行われます。

今は3D CADも安価になり、誰もが設計を行いやすくなっていますが、設計を間違うと物が作れなかったり、市場に出してからのトラブル原因となります。 詳細設計は、構造解析の領域のみで成り立つわけではありません。幅広い材質や加工の知識と経験が求められます。


構造解析が特に求められる設計領域

トラブルが起きると問題が大きくなりやすい製品 (輸送設備など)
1個あたりの価格が高価であり、破損や変形のリスク対策がしっかり求められる製品(生産設備など)
トラブルが起きると生産ラインをストップさせて原価に大きな影響がでるもの(量産品など)

ネジの構造解析

ネジで止められたものを動かしているといつのまにかネジが緩んでいた・・・構造解析ではそれも再現できます。 上の例では、少しだけですが、回転しているのが見えます。荷重が数回繰り返された場合の動きは少ないですが、実際の荷重は何千回、何万回も繰り返されるので、小さな回転が蓄積されて、緩みとなって現れます。


詳細設計の段階から構造解析を行うことは、安全性を高め、破壊リスクを減少させます。
また、試作して試験を繰り返すことを無くすことで開発スピードも向上します。


破壊・変形の原因を究明する構造解析

詳細設計の段階で構造解析をはじめとするシミュレーションを行えば、市場に出たあとの破壊や変形トラブルは起こることがありません。 自動車やプラントのような製品は「トラブルは起こってはならない」が基本ですが、そこまで安全性を求められない製品は、信頼性試験のみで市場に出されたあとトラブルが発生します。


信頼性試験だけでは、なぜ不足なのか?

信頼性試験では、「所定の条件下で、所定の機能が故障無く達成される」ことが確認されますが、それは単一の条件下の話であって、全ての条件を試験することは現実的に不可能です。そのため、信頼性試験を通過しても、市場にでてからトラブルが起こることになります。


市場にでてからのトラブル対応は緊急性を要する

製品として市場にでてから破壊・変形などのトラブルが起きると、対応に緊急性が求められます。破壊という結果の原因となっているのは、多くは「設計」です。設計のどこに問題があるのか、原因究明を行わないと対策が検討できません。構造解析ではシミュレーションによって破壊原因を探ります。

150522-05

三重県で風力発電施設のナセルが落下する事故が起きました。 原因はブレードを停止させるためのギアが強度不足のために破損し、強風時に過回転が生じて、ブレードがタワーに衝突したためと判断されました。しかし、タワーの座屈についてはほとんど記述されていませんでした。 原因については、異論ありませんが、もしかしたら落下には他のメカニズムがあったかもしれません。(ナセルが落下するほどの傷がタワーにはありません….)

破壊・破損の原因究明を、緊急対応いたします。 ご相談ください。


YSコーポレーション チーフエンジニアの経歴
工学博士、技術士(機械部門、総合監理部門)
(1)東洋エンジニアリング テクニカルエキスパート
(2)HKS (現在のダッソーシステムズ)シニアエンジニア
(3)千代田アドバンスト・ソリューションズ(現在は千代田化工建設に再合流)シニアコンサルタント
(4)ナブテスコ シニアマネージャー
(5)サムスン物産(建設部門)常務
元、名古屋大学客員教授


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